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アイデアの作り方

福井駅前再開発

今日は、ふくいU・Iターンサマーキャンプ2015のお手伝いにお伺いしました。これは、福井市が主体となり「福井での就職や生活に興味がある大学生を集い、福井へUターン、Iターンを促進するアイデアを考える」合宿企画で、東京などからも大学生が集まり総勢30名で5泊6日に渡り行う大掛かりな事業です。

今回は、この事業の中でUターン、Iターンを促進するアイデを考える時間のお手伝いをしました。

3人づつのグループで各々のお題に沿ってアイデを考えるのですが、私たち社会人にとっても中々難しいお題でもあり、福井の企業見学を通してヒアリングや体験したことを元に、各グループが頭をひねりアイデを出し合っていました。そんな学生たちの姿を見ていて、自分が日々、お客さんのヒアリングから課題を抽出し、解決するアイデを企画・提案として提出している工程を思い返したので、少し触れたいと思います。

 

 

アイデは既存アイデの組合せである

 

これは、「アイデアのつくり方」という個人的にもバイブルとしている本に紹介されています。「アイデアとは今まである既存のアイデアとアイデアを組合せでしかない」という中々気が付きにくく、頭ではわかっていたとしても、ついつい全くこの世に無かったような新しいアイデアを作ろうとしてしまいがちです。これを知り念頭に置くことで、アイデアを作る上での負担を大きく減らすだけでなく、有効なアイデアを作る上で非常に重要な要素です。

「人は知らないものを認識できない」

という、大きな事実があり、そのアイデアが本当にこの世に初めて生まれ見た事がない場合、それは認識されない事がほとんどです。場合によってはそのアイデア自体を受け入れ拒否をすることもあるかもしれません。わからないもの、未知の脅威と感じてしまうのです。

今回の学生たちの姿を見ていて、大それた事を考えるつもりが無くても知らない内に「すごいアイデア」を考えないとイケナイ…というようなキモチになってくることで更にアイデアに煮詰まっていく姿を見ていて改めて痛感しました。

良いと感じるアイデアは、実はその概要から普通に理解できるから「良い」と認識できる。つまり普通にありふれたアイデアを「視点」や「組合せ」により再構築したものであったりします。

 

 

ヒアリングで得られるのは「解決のヒント」

 

現場でのヒアリングを通して、そこにアイデアの答えを探そうとして悩んでいる姿を見ていて、ふと思い出しました。ヒアリングはあくまで「解決のヒント」でしかなく、そこには答えがあるわけではない。

もし答えがヒアリングで聞けたならば、その課題はすでに解決している。

と聞くと一見当たり前ですが、どうしてもヒアリングに答えがあるように錯覚してしまう。私自身も、よくアイデアに詰まる場合は、この辺りで詰まることが多いです。ヒアリングでの課題が数多く散漫としていたり、内容が抽象的であった場合などに陥りがちです。特に、今回のお題は「Uターン、Iターン促進に向けたアイデア」と広範囲であり、全体を全て捉えようとすると如何ようにもアイデア範囲が広がり収集がつかなくなってしまいます。

ヒアリング内容は、あくまで解決するアイデアの「ヒント」であり「キッカケ」であると考え、囚われ過ぎない事が大事だと考えます。

例えば、ネガティブなヒアリング内容を数多く得た場合は、そこに解決アイディアの答えを求めるだけでなく、ネガティブな内容は「現状」として認識するだけにとどめ、如何にしてそのようなネガティブな状態に対象のキモチを持っていかれないような状況を作り出すか?に答えがあったりします。言い換えると、多くの人が、まさに落とし穴に落ちているという事実がわかったので、その穴を塞ぐ努力も1つの解決方法ですが、そもそもその穴を迂回させる方法を考えるというのも課題解決の大きなアイデアとなります。

 

 

アイデアは計画(プラン)ではない

 

アイデアは、課題解決の方向性や突破口であり、それを実施する上での計画(プラン)ではない。これは、アイデアを考える初期段階で計画の具体性にまで考えが及んでしまうと、迷宮入りやアイデア自体が意味消失してしまう危険性があるためです。ついつい、実施するにあたり…などと考えてしまうのは、アイデア出しの段階ではナンセンスです。極端な言い方をすると、その課題に関係する多くの人が「そのアイデアは無いな…」と思うから、そこに解決の糸口があったりします。

言い換えるなら、関係した人がアイデア自体をしっかり「認識」出来ており、「無い」と思っているということは、それが実現した場合のインパクトは大きく、印象に刷り込まれ、心を動かされる可能性がある。

と、いうぐらいの認識でアイデアを出していくことが、良いアイデアを出すテクニックと考えます。

今回、学生さん達は非常に真面目で、真剣なだけに、知らないうちにアイデア出しの段階でも具体的な計画に目を向けてしまい、アイデアをそれ以上広げようと出来ていない印象でした。この作業で大事なのは、具体性に欠けたとしてもインパクトあるアイデアを考え、その後そのアイデアにどれぐらい具体性と客観性を持たせ、人々に「良いアイデアとして認識させる」かがポイントだと思います。

 

 

最後に

 

今回の事業のお手伝いをする中で、なんとファシリテーター能力を求められるんだ!と気軽に参加したことに焦りましたが、逆に気軽で良かったなと思った次第です。

学生さんたちは、非常に柔軟な考えや姿勢で「福井の現状」を体験しており、逆に「福井に染まった大人」としては、改めて色々な課題を、話している中で気がつくことができました。また、機会があればお手伝いできればと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

mizukiri

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